
AI面接について「応募者はどう感じるのだろう」「懸念点はないだろうか」と疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
AI面接とは、人工知能(AI)の力を借りて面接を行う画期的な採用手法です。
時間や地理的な縛りをなくして選考を進められるため、多くの企業が注目しています。
しかし、AI面接には懸念点もあるため、特性をよく理解して導入することが大切です。
そこで本記事では、AI面接について、企業と求職者それぞれの視点から見たメリットとデメリットを解説します。
さらに導入を成功させる具体的なポイントも紹介。
最後まで読めば、AI面接に関する不安や疑問を払拭し、自社に合う活用方法を見つけられるでしょう。
ぜひ参考にしてください。

- 目次
AI面接とは?
AI面接とは、AIが人の代わりに面接を行い、受験者を評価する新しい採用手法です。
面接にかかる時間や経費を大幅に削減できるため、次世代の採用フローとして注目を集めています。
また、AIが受験者の声色や話すスピード、発言内容などを分析し、数値化してくれるツールもあります。
客観的なデータを基にスクリーニングが行えるため、効率的に精度の高い選考が行えます。
すでにアメリカや中国ではAI面接が浸透しており、日本でも採用効率化のニーズから注目が集まっています。
AI面接の仕組みに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【企業側】AI面接のメリット

AI面接によって企業が得られる利点は、おもに以下の6つです。
- 面接機会を増やせる
- 採用業務の負担を軽減できる
- ドタキャンに振り回されない
- 評価基準を統一できる
- 採用コストを削減できる
- 受験者の評価に集中できる
1つずつ詳しく説明します。
面接機会を増やせる
AI面接は、いつでもどこでも実施できるため、企業はより多くの人材とつながりを持てます。
従来の対人形式では、面接官と応募者のスケジュール調整に加え、会場の確保も必要でした。
そのため、実施できる面接数には限りがあり、機会損失が発生することも珍しくありません。
また、地理的な制約を理由に、エントリーを断念する人も多く見られます。
しかし、AI面接はWeb上で完結するため、場所や時間を気にすることなく、多様な人材との面接の場を用意することが可能です。
採用の間口を広げ、理想の人材と出会う確率を高められるでしょう。
採用業務の負担を軽減できる
面接には、以下のように多岐にわたる業務が発生します。
- 日程調整
- 会場準備
- 応募書類の確認
- 面接の開催
- 回答内容の記録
- 評価
- 合否連絡
とくに大量募集の場合、担当者は膨大な業務量をこなさなくてはならず、負担は相当なものです。
しかし、AI面接を活用すれば、手作業で行う業務を劇的に削減できます。
たとえば、日程調整や会場の確保などの準備は不要です。
面接の進行はもちろん、発言内容の記録や評価までAIがサポートするため、採用担当者は煩雑な作業から解放され、より本質的な業務に専念できます。
ドタキャンに振り回されない
エン・ジャパンの調査では、92%(※1)もの企業が面接辞退を経験していることが明らかになっています。
急なキャンセルは、面接官の時間を無駄にするばかりでなく、選考の遅延や担当者のストレス増大などの弊害を引き起こします。
再調整を行うとなると、追加の人件費や会場費が発生するため、費用面の負担も大きくなるでしょう。
AIの力を借りれば、仮に応募者がキャンセルしても、面接官の業務進行に大きな問題は生じません。
そのため、面接官は当日辞退や無断キャンセルに悩まされることなく、本来の業務に集中して取り組めます。
選考プロセスが滞りなく進み、ストレスフリーで円滑な採用活動を実現できます。
(※1)参考:92%の企業は面接ドタキャン経験あり。求職者のホンネから見えた対策は?-エン・ジャパン
評価基準を統一できる
従来の面接では、評価する人によって判断にばらつきが生じることがありました。
たとえ選考基準を定めても評価に差が出る要因には、以下が挙げられます。
- 面接官のスキル
- 面接官の主観や経験
- 評価ポイントの解釈のずれ
人間は先入観に影響を受けるため、公平性の確保は容易ではありません。
一方AI面接は、AIが常に一定の基準で評価を行います。
発言内容や表情、話す速さなど、さまざまな情報から受験者を分析し、多角的な視点での評価も可能です。
そのため、面接官の無意識の思い込みによる偏った評価をなくし、客観的で公平な選考が実現できます。
統一された評価項目は、採用の質の安定化にもつながります。
採用コストを削減できる
これまでの面接で必要だった人件費や会場費、交通費などの経費は、AI面接によって大幅に低減できます。
まず、AI面接はWeb上で行われるため、会場費や受験者の移動費用はかかりません。
面接官の人手を割く時間を減らせるため、人件費も低減できます。
また、求人広告で「面接確約」と訴求して注目を集められるため、より多くの人材からのエントリーも見込めます。
AI面接を取り入れることで、経費を抑えつつ、質の高い採用を実現できるでしょう。
受験者の評価に集中できる
通常の面接では、面接官は受験者への質問に加え、メモや評価シートへの記入を行わなくてはいけません。
記録作業に追われると、人材の見極めがおろそかになる懸念が生じます。
しかし、AI面接を駆使すれば、面接官はメモ取りに気を取られることはなくなります。
受験者の話に耳を傾け、深堀りした質問を行うことで、より本質的な評価に専念できるでしょう。
また、録画データを他の面接官と共有することも容易です。
複数の視点から受験者を見極められるため、採用精度の向上にも寄与します。
【企業側】AI面接のデメリット

企業がAI面接を取り入れるうえで考慮すべき懸念点は、以下の5つです。
- 人間性の評価が難しい
- AIバイアスのリスクがある
- 逸材を見逃す可能性がある
- 初期費用がかかる場合がある
- 応募者と人間関係の構築ができない
1つずつ詳しく解説します。
人間性の評価が難しい
人柄や雰囲気などの数値で表せない側面は、AIが適切に評価しきれない部分です。
もちろん、対人面接でも人間性を見極めることは容易ではありません。
しかし、合否の決定には、熱意や企業文化との相性など、人間だからこそ感じられる要素を見定めることも重要です。
選考のすべてをAIに任せると、数値化できない魅力を見落としてしまう可能性があります。
もしAIが基準を満たすと評価を下しても、企業との価値観が合わなければ、ミスマッチを引き起こしてしまいます。
最終的な判断には、人の目による確認が不可欠であることを心に留めておきましょう。
AIバイアスのリスクがある
AI面接は、過去の採用データや現役社員のデータなどを学習したうえで評価を行います。
そのため、もし学習したデータに人種や性別、年齢などの偏りがあると、評価にもバイアスが生じる可能性があります。
たとえば、採用実績に性別の偏りが見られる企業の場合、AIはそのパターンを学習し、無意識に一方の性別の応募者を高く評価してしまうかもしれません。
結果的に、意図せず差別的な評価を下す危険性があるのです。
AIによる偏見は、採用に偏りが生じるだけでなく、多様な人材の獲得を妨げる原因にもなりかねません。
公平性を確保するには、学習データの慎重な管理や、定期的な判断基準の検証が求められます。
それでもAIバイアスの完全な排除は困難なため、人の判断を組み合わせることが大切です。
逸材を見逃す可能性がある
AIは、事前にプログラムされた基準に基づいて受験者を分析します。
そのため、魅力的な個性や型破りな才能を持つ人材は、AIの基準に当てはまらないと判断され、適切に評価されないおそれがあります。
独創性や潜在的な能力のような定性的な要素は、AIでは評価されにくいのです。
AIはスムーズなスクリーニングに有効ですが、既存の枠に収まらない「新しいタイプ」の人材を発掘するには、人間の洞察力が必要です。
初期費用がかかる場合がある
ツールによっては、導入時に初期費用が発生します。
予算が少ない企業にとっては、初期費用が導入の障壁になることもあるでしょう。
また、評価レポートのカスタマイズや質問の追加など、機能を拡張すると、別途オプション料金が発生し、想定以上のコストになることも。
初期費用や基本料金だけでなく、トータルでどのくらいの費用がかかるのかを前もって確認することが大切です。
ほとんどのAI面接ツールは、企業規模や利用頻度、機能によって料金が変動するため、公式サイトに明確な料金表を掲載していません。
具体的な費用を把握するには、直接問い合わせをして見積もりを取る必要があります。
無理なく利用を続けられるよう、自社に合った料金体系のツールを選びましょう。
AI面接サービスの導入にかかる費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
応募者と人間関係の構築ができない
採用選考は、企業が人材を選ぶ場であると同時に、応募者が「この会社で働きたいか」を判断する場でもあります。
対人面接で感じる企業の空気感や面接官の人柄などは、応募者の入社意欲に大きな影響を与えます。
しかし、AI面接では基本的に自動化されたやり取りとなるため、応募者は企業の魅力を肌で感じられません。
もし他社と並行して選考を進めていた場合、より人間的な温かさを感じられる企業に気持ちが傾いてしまう可能性もあるでしょう。
企業と応募者の相互理解を深め、エンゲージメントを高めるには、AI面接後に人による丁寧なフォローアップが必須です。
【求職者側】AI面接のメリット

求職者にとってのAI面接のおもな利点は、以下3つです。
- 時間や場所にとらわれない
- 選考がスピーディーに進む
- 過度な緊張なく面接に臨める
1つずつ詳しく解説します。
時間や場所にとらわれない
AI面接は、応募者が都合の良い時間に好きな場所で受けられます。
従来の面接とは違い、企業のオフィスへ出向く必要はありません。
エン・ジャパンの調べでは、面接前に選考辞退した人のうち19%(※2)が「都合がつかなくなった」ことを理由に挙げています。
とくに育児中の応募者は、子供の急な体調不良や預け先の確保が難しいことから、面接への応募自体が大きなハードルになることが多いです。
また、転職活動者は、現職の業務との兼ね合いや複数企業との選考で、日程調整が難航しがちです。
その点、AI面接なら時間帯を気にせず、気軽に面接を受けられます。
たとえば、子供が寝ている間に自宅で受験することも可能です。
多くの人が面接に臨めるため、企業の採用間口も大きく広がります。
(※2)参考:8000人に聞いた「選考辞退」の実態調査-エン・ジャパン
選考がスピーディーに進む
AI面接は、企業側が効率良く面接を行えるため、選考プロセス全体を迅速に進められます。
そのため、応募者は選考結果を早く知ることが可能です。
とくにアルバイトの応募者は、企業の対応のスピードを重視する傾向が見られます。
今すぐにでも働きたい人にとって、選考の遅れは応募辞退につながりかねません。
また、結果を待つ期間は、多数の応募者にとって不安や精神的な負担を伴うものです。
しかしAI面接を取り入れれば、スピーディーな選考を実現できます。
結果待ちのストレスが軽減され、応募者は高いモチベーションを維持したまま次の選考ステップへ進めるでしょう。
過度な緊張なく面接に臨める
従来の面接では、会場の独特な空気や他の応募者の存在が、面接を受ける人の緊張感を一層高めてしまいます。
過度な緊張は、声が震えてしまったり、頭が真っ白になったりと、応募者を悩ませるものです。
その点、AI面接は、自宅などの慣れた環境で比較的リラックスした状態で面接に臨めるため、本来の能力や魅力をアピールしやすくなります。
緊張から本来の能力を発揮しにくい応募者にとって、大きな助けとなるでしょう。
【求職者側】AI面接のデメリット

求職者がAI面接で抱く懸念は、おもに次の3点です。
- 人間味がない
- 競争率が上がる
- 面接準備に手間がかかる
1つずつ詳しく解説します。
人間味がない
AI面接の音声やテキストによる一方的な質問は、応募者に無機質で冷たい印象を与えがちです。
とくに「人との繋がり」を重視する応募者にとって、社員とのコミュニケーションが不足するAI面接は、物足りなく映る可能性があるでしょう。
そのため、企業は人間的な側面をどのように補完するのかを考慮したうえで、AI面接の導入を検討しなくてはなりません。
競争率が上がる
AI面接を活用すると、これまで場所や時間を理由に諦めていた人も面接に臨めるようになります。
たくさんの人に面接のチャンスが与えられる反面、採用の競争率は激化します。
応募者は次の選考ステップへ進むために、より一層自身の魅力をアピールする努力が求められるでしょう。
面接準備に手間がかかる
AI面接ツールによっては、専用アプリのダウンロードやアカウント登録などが必要なタイプがあり、初期設定に手間がかかります。
デジタルネイティブ世代には簡単な設定も、ITツールに不慣れな人にとっては、応募へのハードルとなり、敬遠される要因ともなりえます。
動作がスムーズに進まなければ、面接前にモチベーションが低下したり、選考辞退につながったりしかねません。
AI面接を取り入れる際は、受験者がストレスなく利用できるか、準備が容易かどうかを十分に確認しましょう。
AI面接の導入を成功させるための3つのポイント

AI面接の導入を成功させるには、以下3つのポイントを押さえて正しく活用することが大切です。
- 個人情報を適切に取り扱う
- 応募者と交流する機会を設ける
- 最終的な合否は人間が判断する
1つずつ詳しく説明します。
個人情報を適切に取り扱う
AI面接は、顔や声、発言内容など、多岐にわたる個人情報が扱われます。
そのため、情報漏洩や不正利用が発生しないよう、企業には厳重なセキュリティ対策が求められます。
万が一、データが流出すれば、受験者への深刻な被害はもちろん、企業の信頼性も大きく損なわれるでしょう。
したがって、セキュリティ対策が徹底されたAI面接を選ぶことが重要です。
また導入の際は、個人情報保護法を遵守し、受験者が安心して利用できる環境の整備を徹底しましょう。
応募者と交流する機会を設ける
AI面接のみでは、人とのコミュニケーションが不足し、応募者の入社意欲が低下するおそれがあります。
企業は、選考過程で応募者との交流機会を積極的に提供することが大切です。
たとえば、フォロー面談を行う、座談会を開くなど、社員と直接話せる機会を作ることで、応募者は企業の雰囲気を体感できます。
選考の段階で応募者の不安や疑問を取り除くことで、企業理解が深まり、ミスマッチの防止にもなります。
AI面接だけでは信頼関係の構築が難しいため、人による丁寧なフォローアップを心がけましょう。
最終的な合否は人間が判断する
AI面接には、受験者の個性の見落としやAIバイアスによる採用の不公平などのリスクが伴います。
AIだけに任せると、人間だからこそ見極められる要素を評価できず、優秀な人材を逃してしまうかもしれません。
AI面接を有効活用するには、人間の判断力とAIの客観的評価を組み合わせることが肝要です。
たとえば、AI面接でスクリーニングを行い、通過者には対人面接を実施して人柄や相性を確認することで、効率性と採用精度の高さを両立できます。
また、募集する役職や働き方によるAI面接の使い分けも大切です。
AI面接は、アルバイトの大量募集や、事務職のような定型業務への適性を見極めるのに役立ちます。
しかし、管理職や専門職、クリエイティブな職種の場合、AIだけで適性を判断するのは得策ではありません。
求める人材のタイプや仕事内容に合わせてAI面接をうまく活用すれば、質の高い採用活動が実現できます。
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AI面接のメリット・デメリットを理解して賢く活用しよう
AI面接は、選考プロセスの効率化や採用コストの削減に貢献します。
時間や場所にとらわれず面接ができるため、応募者にとっても大きな恩恵があるでしょう。
しかし、人間味の欠如やAIによる偏見などの欠点もあるため、よく理解して十分な対策を講じることが重要です。
AI面接の導入を成功させるには、以下3つのポイントに留意してください。
- 個人情報の適切な取り扱い
- 応募者との交流機会の確保
- 人間による最終判断
本記事を参考にAI面接の特徴を理解し、効率的かつ精度の高い採用活動の実現に活かしましょう。
