
「求人を出してもなかなか応募が集まらない」
「やっと面接を組んだのにドタキャンされた」
飲食業界の採用担当者なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
この記事では、飲食業界が抱える採用課題をデータで整理し、AI面接を導入するメリットや活用法を解説します。業態別の相性分析や外国人採用への対応、すぐに使える質問テンプレートまで網羅していますので、自社の採用フローを見直す際のヒントにしてください。

- 目次
飲食業界の採用が回らなくなりつつある理由
飲食業界は市場規模24兆円超、従業員数約400万人を抱える国内有数の巨大産業です。しかし、パート・アルバイト比率が約8割と高く、入職者121.1万人に対して離職者107.1万人という「採り続けなければ回らない」構造を持っています。さらに中小事業者が98%を占める分散型市場であるため、採用ノウハウが属人化しやすいのも課題の一つです。
こうした背景から、従来の「店長が空いた時間に面接する」スタイルでは現場が立ち行かなくなりつつあります。ここではまず、飲食業界の採用が直面している3つの構造的課題を、公的データとともに確認していきましょう。
飲食店の6割が「人が足りない」と感じている
帝国データバンクの2026年1月調査によると、非正社員が不足していると回答した飲食店は58.6%にのぼります。厚生労働省の雇用人員判断DIでも、宿泊業・飲食サービス業は-58と全産業の中でも突出した人手不足感を示しています。
飲食系職種の有効求人倍率は、飲食物調理で2.50倍、接客・給仕で2.53倍と高水準です。つまり、1人の求職者を複数の事業者が奪い合っている状態が常態化しているといえるでしょう。新卒・中途を問わず応募者の確保が難しい中で、面接機会そのものをいかに増やすかが採用成功の分かれ道になっています。
この状況下では、応募が入った瞬間に面接へつなげられる仕組みの整備が不可欠です。採用プロセスをデジタル化する手法を検討する企業が増えているのも、こうした背景があります。
参考:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」
アルバイト1人あたりの採用コストは6.7万円
マイナビの調査によると、飲食・フード職種のアルバイト1人あたりの採用単価は6.7万円です。この金額には求人広告費だけでなく、面接の日程調整や実施にかかる工数も含まれています。
飲食系職種の平均データを詳しく見ると、年間応募33.1人に対して面接実施は19.0人、実際の採用は9.7人です。1人を採用するために約2人を面接し、3.4人に応募してもらう計算になります。面接1回あたりの対応時間を2時間と仮定した場合、店長の年間面接工数はおよそ38時間に達し、金額換算で約7,800円が「見えない採用コスト」として積み上がっています。
つまり、面接工数を圧縮しただけでも採用単価の1割強を改善できる可能性があります。
面接ドタキャン率は「4.4人に1人」
マイナビの調査では、飲食系職種の採用担当部署のうち約4割が「面接辞退者がいた」と回答しています。さらに、辞退が発生した企業での比率を見ると、平均して4.4人に1人が面接に来なかったという数字も報告されています。
求職者の6割が「1日以内」に連絡を求めており、約半数が18時〜翌7時の営業時間外に応募するという調査結果も見逃せません。応募から面接までのリードタイムが長くなるほど、求職者は別の応募先に流れてしまいます。
こうした問題は、「応募→日程調整→面接」という従来フローに構造的な弱点があることを示唆しています。日程調整自体をなくし、応募直後に選考を進める仕組みの導入が、離脱防止の有効な手段になりえます。
参考:マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査 2024年」
AI面接が飲食業界の採用フローをどう変えるのか
飲食業界の採用課題はスピード・コスト・標準化の3つに集約されます。ここでは、AI面接の導入によって採用フローがどのように変化するのかを具体的に見ていきましょう。
AI面接は決して「すべてをAIに任せる」仕組みではありません。前工程をAIが効率化し、最終判断に人が集中するハイブリッド型の運用が飲食業界には最適です。
従来の採用フローとAI面接導入後の違い
従来の飲食店の採用フローは、「求人掲載→応募受付→電話で日程調整→店長が面接→合否連絡」という流れが一般的でした。このスタイルでは、日程調整に時間がかかるうえ、面接のたびに店長が現場を離れなければなりません。
AI面接を導入すると、フローは大きく変わります。「求人掲載→応募受付→即時にAI面接案内→求職者が好きなタイミングで受験→AIレポートと動画を本部や店長が確認→人による最終面接・採用判断」という流れになります。
- 日程調整が不要になり、応募から面接までのリードタイムがほぼゼロに
- 店長は面接レポートと動画の確認だけで済み、現場を離れる時間が激減
- 評価基準が統一されるため、全店舗で一貫した選考品質を維持
前工程の自動化によって、採用担当者は「採る・見送る」の判断と求職者との関係構築に注力できるようになります。
飲食店でAI面接が機能する3つの条件
飲食業界においてAI面接が特に力を発揮するのは、次の条件が揃う場合です。
大量採用のニーズがある
飲食チェーンでは新規出店時に1店舗あたり30〜40名を採用するケースもあり、面接件数は100件近くに達します。人力面接ではコストが膨らみますが、定額制のAI面接なら件数を気にせず一次選考を回せます。
深夜や早朝の応募が多い
飲食業界では応募の約半数が営業時間外に集中するため、24時間365日対応できるAI面接は取りこぼしを防ぎやすい構造になっています。
多店舗展開を行っている
店舗間で面接品質にばらつきが出やすいチェーン企業にとって、本部主導で採用基準を統一できるのは大きな利点です。
「一次面接はAI、最終判断は人」が飲食に合う理由
飲食業界の採用では、接客時の笑顔や雰囲気といった「一緒に働きたいかどうか」の感覚が最終判断に大きく影響します。この領域はAIだけで完結させるのが難しく、人の目による確認が不可欠です。
一方で、シフトの可否・通勤手段・勤務開始時期・飲食経験の有無といった定型的な確認事項は、AIが効率よく処理できる領域です。先行導入企業の多くが「AIで一次確認+人が最終面接」のハイブリッド型を選択しているのは、この役割分担が理にかなっているからです。
ある導入企業では、合否を伴わない初期面談でAI面接と人の面接を選択制にしたところ、95%が自らAI面接を選んだという報告もあります。求職者の受容性は、利便性さえ担保すれば十分に高いことがうかがえます。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「科学的理論に基づく面接技法を学習したAIが、人よりも公平に採用面接を実施」

飲食業界でAI面接を導入する5つのメリット
飲食業界の採用課題に対して、AI面接はどのような効果を発揮するのでしょうか。ここでは、飲食業界特有の事情を踏まえた5つの導入メリットを、データや事例を交えて解説します。
メリット①:応募直後から面接が始められる
飲食業界では、学生やダブルワーク層が営業終了後や深夜に応募するケースが非常に多く見られます。しかし、従来のフローでは翌営業日の電話確認まで対応が遅れ、その間に求職者が他社で決まってしまうことも珍しくありません。
AI面接なら、応募後すぐにURLを案内するだけで、求職者は24時間365日、自分の都合にあわせて面接を受験できます。日程調整が不要になることで、「応募したのに連絡が来ない」という離脱を根本から防げる仕組みです。
スマートフォンだけで完結するブラウザ型のサービスであれば、アプリのインストールも不要で受験ハードルをさらに下げられます。応募の勢いが冷めない段階で面接を実施できるため、採用スピードの向上に直結します。
メリット②:店長の面接負担が圧縮される
マイナビの調査データとナレビの事例をもとに推計すると、店長が面接に費やす月間時間は保守的に見ても約3.2時間、広めに見ると約5.5時間にのぼります。この時間は本来、ホール運営やスタッフ育成、売上管理に充てるべき時間です。
AI面接を一次選考に導入すると、店長は面接動画とAIレポートの確認に切り替えられます。確認作業は倍速再生や発言箇所のスキップ機能を活用すれば、1人あたり10〜15分程度で済みます。月間の工数は約0.4時間まで圧縮でき、店舗運営の質を落とすことなく採用活動を継続できるようになります。
面接対応から解放された時間を接客品質の向上や新人教育に振り向けることで、定着率の改善にもつながるでしょう。
参考:マイナビバイト通信 2023年3月号、マイナビ ナレビ「アルバイト採用を行う店長の採用工数を9割削減できた」
メリット③:全店舗で採用基準が統一される
多店舗展開しているチェーン企業では、「A店では採用される人がB店では不採用になる」といった評価のばらつきが起こりがちです。店長の経験値や主観によって判断基準が異なると、接客レベルの店舗間格差が生じ、ブランド全体の品質低下を招きかねません。
AI面接では、企業があらかじめ設定した統一的な質問項目と評価基準に基づいて、すべての求職者を同じ基準で評価できます。評価レポートには採点の根拠も言語化されるため、「なぜこの評価になったのか」を関係者間で共有しやすくなります。
本部で採用基準を設計し、各店舗は最終判断に集中するという役割分担を実現できるのが、AI面接の大きな強みです。
メリット④:履歴書で落としていた「隠れた即戦力」に会える
書類選考では、学歴や職歴といった限られた情報から採用可否を判断せざるを得ません。しかし、飲食業界のアルバイト採用では、履歴書に書かれない「現場での対応力」や「接客への姿勢」のほうが実務上重要なケースが多いのが実情です。
AI面接を導入すると、応募者全員に対して面接の機会を提供できます。書類だけでは見えなかったコミュニケーション能力や仕事への意欲を、対話の中から引き出せるようになります。
実際に「書類選考なし・全員面接」の運用に切り替えた企業では、これまで選考に進まなかった層の中から活躍する人材が見つかったという報告もあります。求職者の母集団を広げることで、採用難易度の高い市場でも優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。
メリット⑤:外国人応募者の日本語力を面接前に確認できる
飲食業界の外国人労働者は2024年時点で約22.9万人に達し、4年間で28.7%増加しています。資格外活動(留学生アルバイト等)が過半数を占めるため、在留資格の種類・期限・週28時間の労働制限といった確認事項は採用時に特に重要です。
AI面接のアンケート機能を活用すれば、面接前の段階で在留資格や勤務可能時間を収集できます。加えて、面接内で日本語による接客場面を想定した質問を設定すれば、日本語運用力もあわせて確認できる仕組みです。
国籍そのものを聞くのではなく、「業務に必要な範囲で就労可否を確認する」形をとることで、公正な採用選考の基準にも適合した運用が可能となります。
参考:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和6年)」

【業態別】飲食店とAI面接との相性
一口に「飲食業界」といっても、業態によって採用の特性は大きく異なります。ここでは「採用ボリューム」「緊急度」「面接の定型化しやすさ」「外国人採用比率」「多店舗展開度」の5軸で各業態を評価し、AI面接の導入優先度を整理しました。
最優先で導入すべき業態(ファストフード・ファミレス・回転寿司)
| 業態 | 特徴 |
|---|---|
| ファストフード | 深夜応募が多く、高回転の大量採用 |
| ファミリーレストラン | ホール・キッチン共通で一次質問を標準化しやすい |
| 回転寿司チェーン | 衛生確認・外国人採用・多職種採用の要素を併せ持つ |
これら3業態は「大量・急ぎ・標準化」の条件がそろっています。店舗数が多く、学生・主婦・Wワーク層など応募者層が幅広いうえ、欠員がその日の営業に直結するため採用のスピード感が求められます。一次面接で見るべき項目(シフト・通勤・経験の有無)が定型化しやすく、AI面接で効率化できる範囲が大きいのが特徴です。
高い効果が見込める業態(居酒屋・カフェ・ラーメン・焼肉)
| 業態 | 特徴 |
|---|---|
| 居酒屋チェーン | 面接ドタキャンが多い層への即時面接が効果的 |
| カフェチェーン | ブランド理解度の確認に動画プレゼン機能を活用 |
| ラーメンチェーン | 厨房環境のリアルを事前に伝えてミスマッチを防止 |
| 焼肉チェーン | 匂い・片付けなどの職場特性を説明し離職を抑制 |
これらの業態でもAI面接は十分に機能しますが、最優先グループとの違いは「接客の属人性」にあります。居酒屋では深夜帯の雰囲気や酔客対応の適性が重視され、カフェではブランドイメージとの整合性が問われます。いずれも、AIで一次確認を行い、人が最終面接でフィット感を見極める二段階の運用が有効です。
導入時に注意が必要な業態(ホテル飲食・給食・個人経営店)
ホテル・旅館の飲食部門では接客の所作やホスピタリティの質がとくに重視されます。給食・ケータリングでは衛生管理・資格確認・大量調理経験など、確認項目が多岐にわたります。いずれも「AI面接だけで選考を完結させる」のではなく、前工程の効率化として位置づけるのが安全です。
個人経営の飲食店は、月間採用数が少ないため投資対効果が見えにくくなります。ただし、営業中に面接対応しなくて済むメリットは大きく、繁忙期だけスポット的に活用する考え方も有効でしょう。定額制のサービスならコストを気にせず面接回数を増やせるため、導入ハードルは比較的低くなります。

飲食チェーンのAI面接導入事例
飲食業界では、すでに複数の大手チェーンがAI面接を導入し、採用業務の効率化を実現しています。ここでは、公開事例から確認できた先行企業の取り組みと共通パターンを紹介します。
吉野家「面接の即時化とドタキャン防止で応募離脱を削減」
国内約1,290店舗を展開する大手牛丼チェーン吉野家では、AI面接を導入してアルバイト採用の選考を即時化しています。導入の決め手は「応募者のドタキャンによる機会損失の削減」「面接の日程調整不要化」「ミスマッチの防止」の3点でした。
AI面接は5〜10分程度で完了し、応募後すぐにスマートフォンから受験できます。日程調整を挟まない分、選考期間の短縮と店長の業務効率改善の両方を実現した事例です。
一蘭「採用センター集約×AI面接で8,000名超の採用業務を効率化」
国内84店舗・海外8店舗を展開するラーメンチェーン一蘭では、もともと店舗ごとに行っていた採用業務を本部の採用センターに集約し、AI面接を組み合わせています。
導入前は、従来のオンライン面接に30〜40分、さらに面接後の評価作成にも時間を取られていました。AI面接では文字起こしと評価が済んだ状態でレポートが届くため、8,000名超のアルバイト採用業務を大幅に効率化しています。求職者からの問い合わせは主に通信環境など技術面に関するもので、面接内容そのものへの抵抗感は大きくなかったと報告されています。
ワタミ「AI面接導入で面接実施率1.6倍を達成」
全国展開する飲食チェーンでは、採用管理ツールと連携する形でAI面接を導入し、面接実施率を1.6倍に改善する成果を上げています。従来の電話連絡では面接日程の確定に時間がかかり、その間に求職者が離脱するケースが多発していました。
応募から面接までのフローを自動化したことで、店長が応募者対応に追われる時間も大幅に短縮されています。
参考:PR TIMES「ワタミ×Interview Cloud導入事例」
事例から見える共通パターン「本部で前工程を標準化、店舗は最終判断に集中」
先行企業の事例を横断すると、成功する導入パターンには共通点があります。
- 一次面接をAIが担い、本部またはエリアマネージャーがレポートを確認
- 店長は最終面接・見学・シフト調整のみに注力
- 質問テンプレートと評価基準は本部が一括設計
- AI面接の結果は面接代行費やRPO費用の代替として経済効果を生む
つまり、AI面接の導入効果は「AIの性能」だけでなく、本部と店舗の役割分担をどう設計するかで大きく左右されます。自社の採用体制に照らし合わせて、最適な運用フローを検討することが成功のカギとなるでしょう。
飲食業界で急増する外国人採用とAI面接
特定技能制度の拡充やインバウンド需要の回復にともない、飲食業界の外国人労働者は増加の一途をたどっています。採用時の言語・資格確認の負担をどう効率化するかは、今後ますます重要なテーマです。
飲食店の外国人労働者は4年間で+28.7%増
厚生労働省の公表データによると、飲食店で働く外国人労働者は2020年の178,326人から2024年には229,593人へと4年間で約5万人増加しています。
在留資格の内訳を見ると、資格外活動(留学生アルバイトなど)が55%で過半数を占め、身分に基づく在留資格が22%、専門的・技術的分野が18%と続きます。資格外活動の場合は週28時間の労働制限があるため、採用時の確認が欠かせません。
特定技能「外食業」の在留者数も2022年12月の5,159人から2026年2月には約4.6万人へと急増しています。一方で、2026年4月以降は在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置が取られるなど、制度面の動向にも注意が必要です。
AI面接で日本語接客力を判定する方法
飲食店が外国人候補者に本当に確認したいのは、「日本語が上手かどうか」ではなく、「注文や会計でトラブルなく会話できるか」「店舗ルールを理解できるか」です。
AI面接では以下のような質問設計が有効です。
| アプローチ | 具体例 |
|---|---|
| ロールプレイ型質問 | 「お客様から注文を受ける場面を想定して、確認の言葉を話してください」 |
| 混合言語面接 | 経歴は母国語で回答し、接客場面のみ日本語で回答する構成 |
| 要約・言い換え課題 | 「先ほど説明した衛生ルールを、自分の言葉で言い換えてください」 |
JLPT(日本語能力試験)のスコアだけではわからない現場の接客力を、面接の中で実践的に測れるのがAI面接の強みです。
アンケート機能で在留資格・週28時間ルールを事前確認
AI面接のアンケート機能を活用すれば、面接の前段階で法務上の確認事項を効率的に収集できます。
- 在留資格の種類(特定技能・資格外活動・身分に基づく在留資格など)
- 在留期限
- 資格外活動許可の有無
- 週28時間ルールの対象かどうか
- 希望シフトと学校・本業スケジュールの両立状況
- 日本語での接客経験の有無
ここで重要なのは、「国籍」を直接聞くのではなく、業務に必要な「就労可否」と「在留期限」を確認する形にすることです。厚生労働省が示す公正な採用選考の基本に沿って、応募者の適性・能力に基づいた確認を行いましょう。

飲食店向けAI面接の質問テンプレート
「AI面接を導入した後、どんな質問を設定すればよいのか」
これは多くの採用担当者が抱える疑問です。ここでは、飲食業界のポジション別にすぐに使える質問テンプレートを整理しました。
全ポジション共通で聞くべき8つの基本質問
飲食業界のアルバイト面接では、ポジションを問わず以下の8項目を押さえておくと一次選考を効率化できます。
- 希望職種を教えてください(ホール / キッチン / デリバリー)
- 週に何日、何時間くらい勤務できますか
- 土日祝・ランチ・ディナーのうち、入れる時間帯を教えてください
- 通勤手段と通勤時間を教えてください
- 飲食店または接客の経験はありますか
- この店舗・ブランドに応募した理由を教えてください
- いつから勤務開始できますか
- 長期で働くことは可能ですか(3か月以上 / 半年以上 / 1年以上)
これらの質問はシフト適合性・通勤可否・即戦力度・定着見込みを短時間で把握するための設計になっています。AI面接の対話機能を使えば、回答内容に応じて「毎週入れますか?」「繁忙期も対応可能ですか?」といった深掘り質問を自動で展開することも可能です。
ポジション別の追加質問
| ポジション | 追加で聞くべき項目 |
|---|---|
| ホール | 注文受付・レジ操作の経験、クレーム対応経験、笑顔・挨拶の自然さ、ピーク帯のマルチタスク経験 |
| キッチン | 包丁やフライヤーの使用経験、仕込み作業への対応力、衛生面で意識していること、洗い場対応の可否 |
| デリバリー | 運転免許(普通/原付)の有無、地図アプリの利用経験、雨天時や交通量の多い時間帯の対応力、時間厳守を意識した経験 |
ポジションごとに深掘りすべき領域は異なりますが、いずれも「実際の現場で必要な行動ができるか」を確認する質問設計がポイントです。AI面接では回答に応じて分岐する深掘り質問を設定できるため、定型的な確認と個別の掘り下げを両立できます。
厚労省の公正採用基準に抵触しないための言い換え例
厚生労働省は、採用選考において「応募者の適性・能力に関係のない事項を採否の判断材料にしない」ことを求めています。飲食面接で陥りがちなNG質問と、適切な言い換え例を整理しました。
| NG質問例 | 問題点 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 結婚の予定はありますか | 適性・能力と無関係 | 長期勤務の希望期間を教えてください |
| 子どもはいますか | 家族状況の聴取は不適切 | 勤務可能な曜日・時間帯を教えてください |
| どこの国の人ですか | 国籍は採否判断に不適切 | 日本で就労可能な在留資格と期限を教えてください |
| 持病はありますか | 一律の聴取は不適切 | 業務を行う上で配慮が必要な事項があれば教えてください |
AI面接では、一度設定した質問がすべての求職者に展開されます。そのため、導入前に質問内容の法的レビューを行うことが特に重要です。不適切な質問を排除し、業務に必要な確認だけに絞ることで、企業の信頼性を高めながら適切な選考を実施できます。
飲食業界でAI面接を導入する前に決めておくべきこと
AI面接の導入効果を最大化するには、事前に「何を測るか」「どう測るか」「どの体制で運用するか」を設計しておくことが不可欠です。ここでは、導入前に整理すべき3つのポイントを解説します。
導入前に確認すべき5つのKPI
AI面接の導入効果を正しく計測するために、以下の5つのKPIを事前に定義しておくことを推奨します。
| KPI | 測定する理由 |
|---|---|
| 応募→面接移行率 | 応募後の離脱がどの程度改善されたかを把握 |
| 面接実施率(no-show率) | ドタキャン問題の改善度合いを測定 |
| 応募から面接までの日数 | 選考スピードの向上を数値化 |
| 店長の月間面接工数 | AI面接のROI算定に直結する指標 |
| 30日定着率 | ミスマッチの改善効果を追跡 |
これらの数値を導入前に把握しておき、導入後との比較で効果測定を行います。特に「応募→面接移行率」と「面接実施率」は短期間で変化が見えやすく、経営層への報告にも使いやすい指標です。
ROI試算モデル
AI面接のROIを試算する際は、以下の計算式を使います。
年間工数削減額 = 店舗数 × 年間面接数/店 ×(現状の1面接あたり時間 − 導入後の1面接あたり時間)× 店長時間単価
マイナビの平均データと事例をベースにした試算例を示します。
- 店舗数:30店舗
- 1店舗あたり年間面接数:19.0件
- 1面接あたりの工数:2時間 → 15分に短縮
- 店長の時間単価:2,000円/時間(仮置き)
この条件で計算すると、年間の削減時間は997.5時間、金額換算で約200万円の工数削減が見込めます。ここにドタキャン減少による広告費ロスの縮小や、店長が営業・育成に時間を使えるようになる効果は含まれていません。
定額制のサービスであれば、繁忙期に面接件数が急増しても追加費用が発生しにくいため、コスト予測がしやすくなります。
参考:マイナビバイト通信 2023年3月号、マイナビ ナレビ「アルバイト採用を行う店長の採用工数を9割削減できた」
「本部採用」と「店舗採用」の役割分担をどう設計するか
多店舗チェーンでAI面接を導入する際に最も重要な設計ポイントが、「本部と店舗の役割分担」です。先行事例から見えてきた成功パターンは、次のようなハイブリッド型です。
本部が担う領域
- 質問テンプレートと評価基準の設計
- AI面接の初期設定・運用ルールの策定
- 応募受付・AI面接案内の自動化
- 面接レポートの一次確認とスクリーニング
店舗が担う領域
- 最終面接・職場見学の実施
- シフト調整と配属決定
- 採用可否の最終判断
この設計により、本部は求人出稿から一次選考までを標準化し、店舗は「この人と一緒に働きたいか」の判断に集中できます。本部の採用基準と現場で求める人材にズレが生じないよう、導入前に双方で「どのような人材を求めているか」のすり合わせを行うことが成功のカギです。
飲食業界の採用課題を「AI面接」で再設計する
飲食業界は、人手不足率58.6%・面接ドタキャン率4.4人に1人・外国人労働者22.9万人という3つの構造課題を同時に抱えています。この記事では、これらの課題に対してAI面接がどう機能するかを、データと事例に基づいて整理しました。
改めてポイントを振り返ると、飲食業界でAI面接が効果を発揮する条件は明確です。
- 応募直後に面接を開始し、日程調整による離脱を防ぐ
- 店長の面接工数を月3〜6時間から約0.4時間に圧縮する
- 全店舗で採用基準を統一し、評価のばらつきを解消する
- 履歴書だけでは見えない候補者のポテンシャルを引き出す
- 外国人採用時の在留資格・日本語力の確認を前工程で完了する
AI面接は「面接をAIに丸投げするツール」ではありません。前工程をAIで効率化し、人が最終判断に集中するハイブリッド型の運用設計が飲食業界には最も適しています。
「Our AI面接」は、定額制で面接回数を気にせず使えるため、応募数の波がある飲食業界でもコスト管理がしやすい設計です。アバター型の対話面接、アンケート機能、プレゼンテーション機能、AIレポートの自動生成まで、飲食業界の採用課題に対応する機能を備えています。
