
採用業務の効率化が実現すると、採用品質の向上やコストの削減など、多くのメリットが得られます。
一方で、効率化には綿密な施策設計や高速PDCAが求められ、失敗するとかえって工数が増える、採用品質が低下するなどの不都合を招きます。採用業務は、企業の命運を分ける取り組みであるため、確かな知識を持って効率化を実行することが大切です。
本記事では、採用効率化の背景や具体的な方法10選、役立つツール、得られるメリットまでを体系的に解説します。自社の採用課題を整理し、最適な改善策を見つけるヒントとしてぜひご活用ください。
- 目次
採用業務の効率化が求められる背景
採用業務の効率化が急務とされている理由は、企業を取り巻く採用環境が大きく変化しているためです。
ここでは、効率化が求められる以下3つの背景を解説します。
- 人手不足による採用競争の激化
- 採用手法の多様化と業務量の増加
- 採用担当者の負担が限界を迎えている
人手不足による採用競争の激化
少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は減少を続けています。総務省の「情報通信白書(令和4年版)」によると、生産年齢人口は1995年をピークに減り続けており、2050年には5,275万人(2021年比29.2%減)まで減少する(※1)と予測されています。
また、厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)」によると、2025年平均の有効求人倍率は1.22倍(※2)です。前年の1.25倍からやや低下したものの、依然として求人数が求職者数を上回る売り手市場が続いています。
こうした背景から採用競争は熾烈を極め、従来の採用手法だけでは求める人材に出会うことが難しくなっています。限られたリソースの中でいかに迅速に選考を進め、他社に先んじて優秀な人材を確保するかが、採用競争を勝ち抜く鍵となっているのです。
(※1)参考:総務省|情報通信白書(令和4年版)
(※2)参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)
採用手法の多様化と業務量の増加
近年、採用チャネルは急速に多様化しています。求人媒体への掲載だけでなく、ダイレクトリクルーティングやSNS採用、リファラル採用など、企業が活用すべき手法は増え続けています。
また、新卒・中途・アルバイトなど採用形態ごとに異なる対応が求められるため、採用業務全体の工数は膨らむ一方です。チャネルが増えた分、応募者情報の管理や選考にかかる手間も増えています。そのため効率的な仕組みを整えなければ、業務を回すことで精一杯になり、採用品質の低下や求職者とのトラブルが起こるリスクが生まれます。
採用担当者の負担が限界を迎えている
多くの企業では、採用担当者が人事・労務・教育研修など他業務を兼任しています。限られた人数で膨大な採用業務をこなすため、担当者の負担は年々増加しています。
また、業務が属人化してしまうケースも少なくありません。担当者が休職・退職した場合に採用活動が停滞し、結果的に採用機会を逃してしまうこともあります。
本来注力すべき採用戦略の立案や候補者とのコミュニケーション、内定者フォローに時間を割けていない企業こそ、採用業務効率化への取り組みが急務となっています。
採用業務を効率化する方法10選

採用業務を効率化する方法として、以下10個が挙げられます。
- 採用プロセス全体を見直す
- 採用基準・評価基準を標準化する
- 求人原稿テンプレートを作る
- 応募者対応を自動化する
- 採用管理システム(ATS)を導入する
- オンライン面接を導入する
- AI面接を導入する
- AIを活用した選考ツールを導入する
- 採用代行(RPO)を活用する
- データ分析で採用活動を改善する
採用業務を効率化するには、自社の課題に合った施策を優先的に実行することが大切です。すぐに取り組めるものから大規模なプロセスの改修まで、以下で詳しく解説するため、必要な施策を探してみてください。
採用プロセス全体を見直す
採用効率化の第一歩は、現状の採用フローを可視化し、ボトルネックや無駄な工程を洗い出すことです。
たとえば、「書類選考に1週間以上かかっている」「面接が3回以上ある」といった課題が見えてくれば、削れる工程が明らかになります。不要な選考ステップを減らすだけでも、応募から内定までのリードタイムは大幅に短縮可能です。
各工程の担当者・所要時間・通過率をデータとして管理し、どこに時間がかかっているかを定量的に把握することが効率化の起点になります。
採用基準・評価基準を標準化する
面接官ごとに評価の着眼点が異なると、選考結果にバラつきが出てしまいます。求める人材像(ペルソナ)を言語化し、全選考関係者で共有することで、選考の一貫性を保てます。
具体的には、評価シートやスコアリング基準を整備し、「コミュニケーション能力」「業務遂行力」などの項目ごとに5段階で評価する仕組みを設けるなどがおすすめです。定量的な基準と定性的な基準の両面を設定することで、公平で再現性のある選考が実現します。評価のすり合わせにかかる時間も減り、採用業務全体の効率化にもつながります。
求人原稿テンプレートを作る
求人原稿の作成は、採用業務のなかでも地味に時間がかかる作業です。職種ごとの求人原稿テンプレートを用意しておけば、毎回ゼロから書く手間を大幅に削減可能です。
仕事内容・応募条件・待遇・勤務地といった必須項目をあらかじめ構造化しておくと、記載漏れの防止にもつながります。過去の掲載データから応募数が多かった表現やキーワードを分析し、テンプレートに反映させることで、求人原稿の質を継続的に高められます。
応募者対応を自動化する
応募者への連絡対応は、件数が増えるほど採用担当者の負担になります。応募受付の確認メールや面接日程のリマインドを自動送信する仕組みを導入すれば、手動対応の時間を大幅に減らせます。
チャットボットを活用すれば、「選考の流れ」「勤務条件」などのよくある質問への対応を無人化することも可能です。
メール文面のテンプレート化と合わせて、応募者対応のスピードアップと工数削減を同時に実現しましょう。
採用管理システム(ATS)を導入する
採用管理システム(ATS)を導入すると、応募者情報を一元管理し、選考状況をリアルタイムで把握できるようになります。
複数の求人媒体を利用している場合でも、ATSが応募を自動的に集約してくれるため、手作業での転記や管理にかかる工数を大幅に削減できます。
さらに、選考データの蓄積・分析ができるため、「どの媒体からの応募が多いか」「どの選考段階で辞退が増えるか」といった改善ポイントが明確になるのも大きなメリットです。
オンライン面接を導入する
オンライン面接を導入すれば、場所や移動時間の制約をなくし、候補者・面接官双方の負担を軽減できます。
録画機能を活用すれば、面接の様子を後から振り返ったり、他の選考関係者に共有したりすることも容易です。面接官が都合のよいタイミングで評価できるため、忙しい現場責任者でも選考に参加しやすくなります。
また、遠方に住む候補者にもアプローチしやすくなるため、採用のすそ野を広げたい企業にとっても有効な手段です。
AI面接を導入する
AI面接は、AIが面接を実施し、人間が面接の録画を確認して選考を行う仕組みです。導入すれば、面接官の拘束時間をゼロにでき、採用担当者の工数を大幅に削減できます。
候補者はスマートフォンやPCから24時間いつでも面接を受けられるため、日程調整の手間が一切かかりません。ドタキャンやリスケの心配もなくなり、スケジュールが外的要因によって変わるストレスも解消できます。
また、ツールによってはAIが面接内容を点数化してくれるため、面接官ごとの評価ブレも解消されます。大量採用を行う企業や、面接の工数に課題を感じている企業にとくにおすすめな方法です。
AIを活用した選考ツールを導入する
書類選考や適性検査にAIを活用すれば、大量の応募者を短時間でスクリーニングできます。
AIは候補者のスキルや経験をデータで分析し、自社との相性を客観的に評価します。人間の目だけでは見逃しやすいポテンシャル人材の発見にもつながるため、採用の質を高める効果も期待できます。
AIはあくまでも選考をサポートする存在です。最終的な判断は人事担当者が行いつつ、AIを活用して効率と公平性を両立させるのが理想的な運用方法でしょう。
採用代行(RPO)を活用する
すべての採用業務を社内で完結する必要はありません。求人票の作成やスカウト送信、応募者への初期対応など、ノンコア業務を外部の採用代行(RPO)に委託する方法もあります。
採用のプロフェッショナルに任せることで、採用の質を維持しながら内部リソースを節約できます。繁忙期のみスポットで利用したり、特定の職種だけ依頼したりと、自社の状況に合わせた柔軟な活用が可能です。
データ分析で採用活動を改善する
採用効率化を継続的に進めるには、データに基づいたPDCAを回すことが欠かせません。
応募経路別の歩留まりや内定承諾率、選考にかかった日数などをデータで可視化しましょう。効果の高いチャネルに予算を集中させることで、採用コストの費用対効果を最大化できます。
過去の採用データを分析し、自社で活躍する人材の傾向を把握しておけば、より精度の高いターゲティングが実現するでしょう。
採用効率化に役立つツール4選

採用業務の効率化を加速させるには、適切なツールの導入が効果的です。ここでは、目的別におすすめのツールを4つ紹介します。
- 採用管理システム(ATS)
- オンライン面接ツール
- AI面接ツール
- 適性検査ツール
採用管理システム(ATS)
ATSは、応募者管理から選考進捗の把握まで、採用プロセス全体を一元管理できるシステムです。ジョブカン採用管理やHRMOS採用などが代表的なサービスとして知られています。
複数の求人媒体との連携や、自社採用サイトの作成機能を備えるものも多く、採用業務の「情報管理」に課題を感じている企業にとって導入メリットが大きいツールです。
オンライン面接ツール
ZoomやGoogle Meetなどの汎用ツールに加え、面接に特化した専用ツールも登場しています。録画・録音機能を活用すれば、面接の振り返りや他の選考担当者との共有が容易になります。
候補者の移動負担がなくなるため、面接辞退率の低下にも貢献します。地方や海外在住の候補者にもアプローチしやすくなる点も、大きなメリットです。
AI面接ツール
AI面接ツールは、AIが自動で面接を実施し、候補者の回答を評価・レポート化するサービスです。面接官の拘束時間をゼロにできるため、大量の候補者を同時に選考する場面で威力を発揮します。
Our AI面接のようなアバター型のサービスなら、候補者は実際の面接に近い雰囲気のなかで自然な受け答えができます。面接体験の質を保ちながら、効率化を実現したい企業に最適です。
適性検査ツール
適性検査ツールは、候補者の性格特性や価値観、職務適性を定量的に把握できるツールです。ミキワメ、SPI、CUBICなどが代表的なサービスとして利用されています。
自社で活躍している社員のデータと照合すれば、候補者との相性を客観的に判断できます。入社後のミスマッチを未然に防ぎ、定着率の向上に貢献するため、選考の精度を高めたい企業におすすめです。
採用業務の効率化にAIを導入する際の注意点

現代ではAIを活用した採用ツールの活用が、業務効率化のスタンダードになっています。AIは便利なツールですが、使い方を誤ると採用品質の低下はもちろん、企業の信頼の毀損など、重大なトラブルを招くおそれがあるため注意が必要です。
ここでは、導入前に押さえておきたい4つのポイントを解説します。
- AIの判断基準に偏りが生まれるリスクがある
- ソフトスキルや人間性の評価には限界がある
- 導入コストと運用体制を事前に見積もる
- AIと人間の役割分担を明確にする
AIの判断基準に偏りが生まれるリスクがある
AIは過去のデータに基づいて学習するため、元データにバイアスがあればそのまま選考結果に反映してしまうおそれがあります。たとえば、過去の採用実績に性別や学歴の偏りがあった場合、AIが無意識にその傾向を再現してしまうなどです。
こうしたリスクを防ぐには、学習データと選考ロジックを定期的に見直すことが大切です。透明性の高いAIツールを選び、選考基準を社内で共有・チェックする体制を整えましょう。
ソフトスキルや人間性の評価には限界がある
AIはデータや実績の分析には優れていますが、コミュニケーション能力や人柄、企業文化との相性といったソフトスキルの判断は苦手です。
そのため、AIだけで選考を完結させるのではなく、最終的な判断は人間が行う運用にするのが現実的です。AIによるスクリーニングと人間による深掘り面接を組み合わせることで、効率と選考精度の両方を最大化できます。
導入コストと運用体制を事前に見積もる
AI採用ツールには初期費用や月額費用がかかるため、自社の採用規模に合った料金体系のツールを選ぶことが重要です。
また、ツールの操作研修や運用ルールの整備など、現場に定着するまでには一定の準備期間が必要になります。短期的なコストだけで判断するのではなく、工数削減やミスマッチ防止による長期的なROIで導入効果を評価しましょう。
AIと人間の役割分担を明確にする
導入前に、「どこまでをAIに委ね、どこから人が介入するか」のルールを明確に策定しておきましょう。たとえば、書類選考や一次面接などの定型的な工程はAIに任せ、最終面接や内定の意思決定は人が担当するといった線引きが考えられます。
導入後も定期的に運用を振り返り、役割分担の最適化を図ることが、AI活用の効果を持続させるポイントです。
採用業務の効率化が遅れる4つの原因

採用業務の効率化が重要だと分かっていても、思うように進まない企業も多いでしょう。ここでは、効率化が遅れる代表的な4つの原因を解説します。
- 応募者・社内関係者とのコミュニケーションが多い
- 採用の質を上げるほど工数が増える
- システム化しにくい業務が多い
- 評価基準が属人化しやすい
応募者・社内関係者とのコミュニケーションが多い
採用業務では、応募者への連絡だけでも書類受領通知・面接日程調整・合否連絡と多岐にわたります。加えて、社内の面接官や現場マネージャーとのスケジュール調整にも時間がかかります。
ほかにも、メール・電話・チャットなど複数の連絡手段を使い分ける必要があるなど、コミュニケーションの量そのものが業務を圧迫している原因です。
採用の質を上げるほど工数が増える
候補者1人1人に丁寧に対応しようとすると、自然と工数は膨らみます。面接回数を増やして見極め精度を上げれば、選考のリードタイムが長期化し、候補者が他社に流れてしまうリスクも高まります。
「質を追求すればするほど効率が下がる」というジレンマが、効率化を阻む大きな要因です。AIツールやオンライン面接の活用が、この課題を解消する鍵となります。
システム化しにくい業務が多い
面接での人物評価や企業文化との相性判断など、データだけでは測りきれない業務が採用には多く存在します。求人原稿の作成やスカウト文面のパーソナライズなど、人の判断が手放せない場面も少なくありません。
また、採用業務では機密性の高い個人情報を扱うため、安易な自動化にはセキュリティ面のリスクが伴います。どこまでをシステム化し、どこは人が担うべきかの線引きが難しいのが実情です。
評価基準が属人化しやすい
面接官ごとに評価の着眼点やスキルが異なると、選考結果にばらつきが出やすくなります。暗黙知に頼った評価は、採用ミスマッチや内定辞退の一因ともなり得ます。
評価基準をすり合わせるための会議や研修にも工数がかかり、それ自体が効率化を妨げる要因になっている側面もあります。標準化された評価シートやAIによる客観評価の導入で、この課題を解消していくことが求められます。
採用業務を効率化する4つのメリット

採用業務の効率化は、単なるコスト削減にとどまらず、企業の採用力を底上げする効果があります。ここではとくに大きな4つのメリットを紹介します。
- コスト削減と業務負担の軽減
- 優秀な人材の確保スピードが向上する
- 採用担当者が戦略的業務に集中できる
- 面接に割いていた時間を売上創出に使える
コスト削減と業務負担の軽減
採用業務の効率化に取り組むと、定型作業の自動化により人件費や残業コストを削減できます。
たとえば、応募者対応の自動化やATS導入で手作業の工数を減らせば、採用担当者の残業を抑えつつ、同じ人数でより多くの応募者に対応できるようになります。
さらに、費用対効果の低い求人媒体を見直したり、面接のオンライン化で交通費や会場費を抑えたりと、採用コスト全体の最適化にもつながります。
優秀な人材の確保スピードが向上する
書類選考や面接のリードタイムを短縮すれば、他社よりも早くオファーを出すことが可能になります。
売り手市場が続く採用環境では、応募から内定までの期間が長いほど候補者が離脱するリスクが高まります。スピーディーな選考を実現することで、候補者の志望度を維持しやすくなり、内定承諾率の向上も期待できるでしょう。
迅速な対応そのものが「候補者を大切にする企業」という印象を与え、企業イメージの向上にもつながります。
採用担当者が戦略的業務に集中できる
事務的な作業から解放されることで、採用担当者は採用戦略の立案やペルソナ設計、候補者との深いコミュニケーションに時間を使えるようになります。
内定者へのフォローにも十分な時間を充てられるため、入社後の定着率向上にも効果があります。
さらに、データを活用した採用改善のPDCAサイクルを回しやすくなり、採用活動そのものの質を継続的に高められるのが大きなメリットです。
面接に割いていた時間を売上創出に使える
採用効率化の効果は、「コスト削減」だけではありません。面接に費やしていた時間を、売上につながる活動に転換できるという効果もあります。
たとえば、営業担当が面接を兼任しているケースでは、面接を効率化することで営業活動に充てる時間が増え、売上向上に直結します。店舗ビジネスや現場責任者が面接対応する業態では、面接時間の削減がそのまま稼働時間の確保につながります。
AI面接を導入すれば面接官の拘束時間はゼロになるため、面接のためにシフトや営業スケジュールを調整する必要もなくなります。採用の効率化は、守りだけでなく攻めの経営にも貢献する取り組みなのです。
採用業務を効率化して優秀な人材を確保しよう
本記事では、採用業務の効率化が求められる背景から、具体的な方法10選や役立つツール、得られるメリットまでを解説しました。
採用業務の効率化は、コスト削減だけでなく「採用の質」を高めるために不可欠な取り組みです。まずは自社の採用課題を整理し、優先度の高い施策から着手しましょう。
AI面接やATS、RPOなどを適切に組み合わせることで、効率と質の両立が実現します。とくに面接に課題を感じている企業は、AI面接の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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(※3)2025年10月〜2025年12月までに一次面接を行なった187名の応募者を基に算出(参照:2025年第四半期の自社利用データを公開しました。)