
採用コストの増加は、多くの企業が抱える共通の課題です。人手不足が深刻化するなか、求人広告費や人材紹介費は年々上昇しており、限られた予算のなかで効率的に人材を確保する重要性が高まっています。
本記事では、採用コストの内訳や相場といった基礎知識から、具体的な削減方法、AI活用のメリットまで詳しく解説します。自社の採用コストを見直し、最適化を図りたい方はぜひご覧ください。
- 目次
採用コストとは
採用コストとは、企業が新たに人材を採用するために発生する費用の総額のことです。求人広告の掲載から選考、内定者フォローに至るまで、採用活動の全工程にかかる費用が含まれます。
採用コストは大きく「内部コスト」と「外部コスト」の2つに分類されます。コスト削減に取り組むためには、まず2つの内訳を正しく把握することが大切です。
ここでは、以下3つの項目について詳しく解説していきます。
- 内部コストとは
- 外部コストとは
- 採用コストの計算方法
内部コストとは
内部コストとは、採用活動において社内で発生する費用のことです。具体的には以下のような項目が該当します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人事担当者の人件費 | 求人票作成、応募者対応、面接調整などにかかる工数 |
| 現場社員の人件費 | 面接対応や候補者の評価にかかる工数 |
| 応募者への交通費 | 面接に来社する応募者への交通費支給 |
| 会食費・懇親会費 | 内定者懇親会やリクルーター活動に伴う飲食費 |
| リファラル報酬 | 社員紹介制度を利用した際のインセンティブ |
内部コストの特徴は、支出額が数値化しにくい点にあります。人件費は給与に含まれるため、採用活動にどれだけの工数を割いているか意識されにくいのです。
コスト削減に取り組む際は、各工程にかかった時間を記録し、人件費として可視化することが大切です。
外部コストとは
外部コストとは、採用活動において社外のサービスや業者に支払う費用のことです。主な項目には以下が挙げられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 求人広告の掲載料 | 求人媒体やWebサイトへの掲載費用 |
| 人材紹介会社への成功報酬 | 採用決定時に発生する手数料(年収の30〜35%が相場) |
| ツール導入費 | 採用管理システム(ATS)やAI面接ツールなどの利用料 |
| 制作外注費 | 採用パンフレットや採用サイトの制作を外注する費用 |
| 会場費 | 説明会やイベントの会場レンタル費 |
| 採用代行費 | RPO(採用代行)への業務委託費 |
外部コストは請求書や契約書として支出が明確に残るため、費用対効果の分析や見直しがしやすいのが特徴です。どの外部サービスにいくら支払い、何人の採用につながったのかを定期的に検証しましょう。
採用コストの計算方法
採用コストの全体像を把握するには、以下の計算式を用います。
| 採用コスト総額 = 内部コスト + 外部コスト |
さらに、費用対効果を正確に分析するためには、1人あたりの採用コスト(採用単価)の算出が重要です。
| 採用単価 = 採用コスト総額 ÷ 採用人数 |
採用単価を手法別・職種別に比較することで、どの部分に無駄が発生しているかが見える化できます。たとえば、人材紹介経由の採用単価が極端に高い場合、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用への切り替えを検討するきっかけになるでしょう。
採用コストの相場

採用コストの削減を進める際は、自社の採用単価が世間の相場と比べてどの水準にあるかを把握しておくことが大切です。相場を知ることで、改善の優先度や方向性が明確になります。
ここでは、雇用形態別・手法別に採用コストの相場を紹介します。
【採用コストの相場早見表】
| 区分 | 1人あたりの相場 |
|---|---|
| 新卒採用 | 約93万円(※1) |
| 中途採用 | 約103万円(※1) |
| 正社員(手法別) | 数万〜100万円前後 ※採用手法によって異なる(※2) |
(※1)参考:就職白書2020|就職みらい研究所
(※2)参考:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書」
新卒採用の相場
就職みらい研究所の調査によると、新卒採用における1人あたりの平均採用コストは約93万円です。(※3)
新卒採用では、求人広告の出稿に加えて、合同説明会への出展やインターンシップの運営など、母集団形成に幅広い施策が必要になります。そのため、中途採用と比較して1人あたりのコストが高くなりやすい傾向があります。
とくに知名度の高くない中小企業では、認知獲得のための広告投資が大きくなりがちです。採用マーケティングやSNSの活用など、費用を抑えつつ母集団を形成する工夫が求められます。
(※3)参考:就職白書2020|就職みらい研究所
中途採用の相場
同じく就職みらい研究所の調査では、中途採用における1人あたりの平均採用コストは約103万円となっています。(※4)
中途採用でコストが高くなる主な要因は、人材紹介会社への成功報酬です。一般的に採用者の年収の30〜35%が手数料として発生するため、年収500万円の人材を採用した場合、150〜175万円の紹介手数料がかかります。
また、エンジニアや管理職など専門性の高い職種ほど採用難易度が上がり、コストも上昇する傾向にあります。
(※4)参考:就職白書2020|就職みらい研究所
手法別の採用コスト相場
採用手法によって、1人あたりのコストは大きく変わります。厚生労働省の調査をもとに、代表的な手法の相場をまとめました。
| 採用手法 | 1人あたりの相場(正社員) |
|---|---|
| 人材紹介 | 85万円〜100万円 |
| スカウトサービス | 約90万円 |
| 求人情報サイト(Web) | 約28万円 |
| SNS・縁故 | 数万円〜 |
(※5)
表を見ると、外部の人材サービスを活用するほどコストは高くなる一方、SNSや社員からの紹介(縁故)は低コストで採用できることがわかります。
ただし、低コストの手法が必ずしも自社に最適とは限りません。採用ターゲットや採用人数、スピード感に応じて手法を組み合わせることが、コスト最適化のカギになります。
(※5)参考:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書」
採用コストが高くなる原因

採用コストの削減に取り組む前に、自社の採用コストが膨らんでいる原因を特定することが大切です。原因がわかれば、的確な対策を講じられます。
ここでは、採用コストを増加させる3つの原因を解説します。
- 採用活動の長期化
- 採用手法と採用ニーズのミスマッチ
- 入社後の早期離職による再採用コスト
採用活動の長期化
採用コストが膨らむ原因として多いのが、採用活動の長期化です。
採用計画が曖昧なまま活動を始めたり、選考フローが多段階すぎたりすると、採用完了までの期間が延びてしまいます。活動が長引くほど求人広告の掲載期間が伸び、人事担当者の稼働日数も増えるため、内部・外部の両方でコストが膨らみます。
とくに人手不足が深刻な業界や職種では、そもそも候補者が集まりにくく、採用活動が長期化しやすい傾向にあります。選考フローの見直しやAI面接の導入による効率化など、採用スピードを上げるための施策が重要です。
採用手法と採用ニーズのミスマッチ
自社の採用ニーズに合わない手法を使い続けていることも、コスト増加の原因になります。
たとえば、少数精鋭の専門職を採用したいのに大手求人サイトに掲載し続けると、ターゲット外の応募が増え、対応工数ばかりがかさみます。反対に、未経験者を幅広く採りたいのにエージェントに依存していると、1人あたりの紹介手数料が高額になるケースもあります。
採用コストを適正化するためには、手法ごとの得意領域を理解したうえで、自社の採用目的に合った手法の選択が不可欠です。
入社後の早期離職による再採用コスト
早期離職は、採用コストを押し上げる大きな要因です。
せっかく時間と費用をかけて採用した人材が短期間で退職すると、それまでにかけた採用コストが丸ごと無駄になります。さらに、欠員を補充するために再び採用活動を行う必要があり、追加のコストが発生します。
早期離職の主な原因は、企業と求職者のミスマッチです。入社前に抱いていたイメージと、実際の業務内容や社風にギャップがあると、早期離職につながりやすくなります。
採用プロセスの初期段階から自社のリアルな情報を伝えたうえで、適性を見極めることが長期的なコスト削減につながります。
採用コストを削減する8つの方法

採用コストの削減方法は多岐にわたりますが、大切なのは自社の課題に合った施策を優先的に実行することです。外部コストの見直しと内部コストの効率化、両面からアプローチしましょう。
ここでは、効果の高い以下8つの削減方法を紹介します。
- ミスマッチを防止する
- 選考プロセスを短縮・効率化する
- 求人媒体を見直す
- リファラル採用を活用する
- 採用マーケティングを強化する
- 自社の採用サイトを整備する
- AI・DXツールを活用する
- 助成金を活用する
ミスマッチを防止する
入社後の早期離職は、採用コストを押し上げる最大の要因の一つです。ミスマッチを減らすことが、コスト削減への近道といえます。
具体的には、以下のような取り組みが有効です。
- 採用要件を明確にする
- 採用段階で自社のリアルを伝える
まず、採用要件を明確に定義しましょう。必要なスキルや経験だけでなく、自社のカルチャーに合う人材像まで言語化することで、選考基準に一貫性が生まれます。
また、求人票や面接で自社のリアルな情報を伝えることも重要です。良い面ばかりを強調するのではなく、業務の大変さや社風のリアルな姿を伝えることで、入社後のリアリティショックを防げます。
適性検査やAI面接を活用し、データに基づいた客観的なマッチングを行えば、担当者の主観に偏らない精度の高い選考が実現します。
選考プロセスを短縮・効率化する
選考期間が長引くほど、内部コストが増加し、候補者の離脱リスクも高まります。
不要な選考ステップがないか見直し、フローをスリム化しましょう。たとえば、選考が4〜5段階ある場合、本当にすべてのステップが必要かを検証するだけでも改善の余地が見つかるはずです。
また、オンライン面接やAI面接の導入も効果的です。面接の日程調整にかかる手間や、応募者の交通費支給を大幅に削減できます。面接評価の基準を標準化し、合否判断のスピードを上げることも、選考の効率化に直結します。
求人媒体を見直す
外部コストのなかで大きな割合を占めるのが、求人媒体への掲載費用です。利用中の媒体の費用対効果を定期的に検証し、最適な予算配分を行いましょう。
見直しのポイントは、応募数だけで判断しないことです。実際に採用決定に至った実績ベースでコストパフォーマンスを比較することがコスト削減の近道です。効果の低い媒体は思い切って見切りをつけ、成果の出ているチャネルに予算を集中させましょう。
また、IndeedやGoogleしごと検索、求人ボックスなど、無料で利用できる求人検索エンジンの活用もおすすめです。
リファラル採用を活用する
リファラル採用とは、自社の社員から知人や友人を紹介してもらう採用手法です。外部サービスを利用しないため、求人広告費や紹介手数料を大幅に抑えられます。
リファラル採用では、紹介者を通じて企業文化や実際の業務内容を事前に理解して入社してきます。そのため、入社後の定着率が高い傾向にあるのが特徴です。
リファラル採用を成功させるためには、紹介者へのインセンティブ制度の整備と、社内への継続的な告知が欠かせません。また、かつて自社で活躍していた退職者に再び声をかけるアルムナイ採用も、有効な手段として注目されています。
採用マーケティングを強化する
採用マーケティングとは、自社の認知度やブランド力を高め、候補者が自然と集まる仕組みをつくる取り組みです。
社員インタビューや社内イベントの様子をSNSやオウンドメディアで定期的に発信し、企業としての魅力を伝えましょう。ターゲット層がよく利用するプラットフォームを選び、発信内容を最適化することがポイントです。
採用マーケティングは短期間で成果が出るものではありませんが、中長期的に取り組むことで、求人広告への依存度が下がり、結果的にコスト削減につながります。
自社の採用サイトを整備する
自社の採用サイトを充実させ、サイト経由の応募数を増やすことで、外部媒体への依存度を下げられます。
採用サイトには、仕事内容や社風、キャリアパスなど、求職者が知りたい情報を網羅的に掲載しましょう。社員の声や1日の業務スケジュールなど、リアルな情報があるほど、応募意欲を高められます。
応募導線はできるだけシンプルに設計し、離脱を防ぐUIを心がけましょう。くわえて、検索エンジンからの流入を増やすためのSEO対策も必要です。
AI・DXツールを活用する
採用DXツールの導入は、業務効率化とコスト削減を同時に実現する有力な手段です。
採用管理システム(ATS)を導入すれば、複数の媒体からの応募者情報や選考の進捗を一元管理でき、管理工数を大幅に削減できます。また、AI面接ツールを活用すれば面接官の拘束時間がゼロになり、人件費の削減にも直結します。
書類選考のAI自動化も、人事担当者の負担軽減に効果的です。
ツールの導入には初期コストがかかりますが、中長期的に見れば人件費の削減や採用スピードの向上など、コストを上回るリターンが期待できます。
助成金を活用する
国や自治体が提供する助成金制度を活用することで、採用にかかる費用を抑えられます。
代表的な助成金には以下のようなものがあります。
| 助成金名 | 概要 |
|---|---|
| トライアル雇用助成金 | 一定期間の試用雇用を支援する助成金 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 高齢者・障がい者などの就職困難者の雇用を支援 |
| キャリアアップ助成金 | 非正規雇用の正社員転換などを支援 |
助成金の申請には要件や期限があるため、早めに情報を確認し、計画的に活用することが大切です。厚生労働省の「雇用関係助成金検索ツール」を活用し、自社に該当する制度がないかチェックしてみましょう。
採用コストの削減にAIを活用するメリット

近年、AIを採用プロセスに導入することで、コスト削減と選考品質の向上を両立させる企業が増えています。とくに面接領域でのAI活用は、採用コスト削減に大きな効果を発揮します。
ここでは、AI活用による3つの具体的なメリットを紹介します。
- 面接の工数を大幅に削減できる
- 選考の質を維持しながら効率化できる
- データに基づいた採用判断ができる
面接の工数を大幅に削減できる
近年の採用コスト削減において、最も注目度が高いのがAI面接ツールです。最大のメリットは、従来の採用ツールでは困難だった面接そのものの工数を大幅に削減できる点です。
AI面接は24時間365日、場所を問わず面接を実施できます。応募者はスマートフォンやPCから都合の良いタイミングで面接を受けられるため、面接日程の調整コストがゼロになります。企業側も面接官を確保する必要がなく、人件費の大幅な削減が可能です。
さらに、AIが複数の応募者の面接を同時に処理できるため、書類選考を省略した「全員面接」も実現できます。従来は書類で落としていた候補者のなかにも、面接で光る人材がいる可能性があり、優秀な人材の取りこぼしを防ぐ効果も期待できます。
たとえば、『Our AI面接』はアバター型のAI面接官が対話形式で面接を行うサービスです。従来のテキスト型AI面接と比べて面接完了率は約3倍を記録しており、求職者の離脱を大幅に減少させています。
選考の質を維持しながら効率化できる
「コスト削減のために選考を簡略化すると、採用の質が下がるのでは?」と懸念する声もあるでしょう。しかし、AI面接を活用すれば、選考の質を維持したまま効率化が可能です。
AIは統一された評価基準ですべての候補者を評価するため、面接官による評価のばらつきがなくなります。面接官の経験や主観に依存しない、客観的で公平な選考が実現します。
また、面接終了後にAIが自動で評価レポートを作成するため、合否判断のスピードも向上します。人事担当者はAIの評価データを参考にしつつ、最終的な採否判断に集中できます。
データに基づいた採用判断ができる
AI面接ツールは面接データや評価結果を蓄積するため、採用戦略の継続的な改善に役立ちます。
蓄積されたデータを分析すれば、自社で活躍する人材に共通する傾向を把握できます。この傾向を採用要件に反映することで、より精度の高い採用活動が可能になります。
また、採用チャネルごとの費用対効果を可視化し、予算配分の最適化にもつなげられます。勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた合理的な意思決定ができる点は、AI活用の大きなメリットです。
採用コスト削減時の注意点

採用コストの削減は重要ですが、闇雲にコストを削ると、かえって逆効果になります。そのため、バランスを意識しながら取り組むことが大切です。
ここでは、コスト削減時に注意すべき以下3つのポイントを解説します。
- 採用の質を下げない
- 担当者の負担増加に注意する
- 短期ではなく長期的な視点で取り組む
採用の質を下げない
コスト削減を意識するあまり、求人媒体の数を減らしすぎたり、選考ステップを過度に省いたりすると、人材の質が低下するおそれがあります。
大切なのは、「削るべきコスト」と「投資すべきコスト」を見極めることです。たとえば、効果の出ていない求人媒体の費用は削減すべきですが、求職者との接点を増やすための採用マーケティングへの投資は維持すべきでしょう。
母集団の「量」を追い求めるのではなく、ターゲット人材の「質」にフォーカスした施策を心がけることで、コストをかけずに採用精度を上げられます。
担当者の負担増加に注意する
外部サービスの利用を減らしてコストを削減すると、業務が社内の人事担当者に跳ね返ってきます。
人事担当者に過度な業務負荷がかかると、応募者への対応品質が低下したり、担当者自身の離職リスクが高まったりする懸念があります。
コスト削減と業務効率化はセットで進めることが重要です。AI面接ツールや採用管理システムを活用して業務を自動化し、人事担当者が本来注力すべき戦略的な業務に集中できる環境を整えましょう。
短期ではなく長期的な視点で取り組む
短期的なコスト削減に走ると、採用品質の低下→早期離職→再採用コスト増という悪循環に陥りかねません。
採用マーケティングの強化やDXツールの導入は、すぐに成果が出るものではなく、効果が実感できるまでに一定の期間が必要です。
入社後の定着率も含めたトータルコストで評価し、中長期的な改善を目指す視点を持つことが大切です。「コストを減らす」ことだけでなく、「費用対効果を最大化する」ことを目標に据えましょう。
採用コスト削減はAI活用が鍵
採用コストの削減を成功させるには、以下のサイクルを回すことが不可欠です。
- 現状の把握
- 原因の特定
- 施策の実行
- 効果検証
本記事で紹介したように、削減方法は多岐にわたりますが、中でもAI面接の活用は、面接工数の削減・選考品質の向上・データ活用の3つの観点で大きな効果を発揮します。
面接官の拘束時間をゼロにしながら、評価のばらつきもなくすことができるAI面接は、採用コスト最適化の切り札ともいえるでしょう。
『Our AI面接』は、日本初のアバター型AI面接サービスとして、多くの企業の採用コスト削減に貢献しています。月額定額制で面接件数に制限がないため、大量採用を行う企業にも最適です。
採用コストの見直しをお考えの方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。